interview15

10年越しの夢を叶え、
「独立」という新たな未来へスタート!

「SHIfT園芸」代表 金子 雅紀さん/旭市神宮寺在住

EPISODE

やりたいことにまっすぐに。 直観を信じて旭市で就農

神奈川県平塚市で生まれ育ち、両親は共に会社勤めという金子雅紀さんが、仕事として農業を意識したのは中学生の頃だったそう。

「僕の住んでいた地域は、神奈川県の中でも一番お米作りが盛んなところで、農業がとても身近にある環境だったんです。学校で農業体験の授業などもあり、子どもの頃から農業の楽しさを知ることができました。それに、僕は座ってやる仕事よりも体を動かす仕事がいいと思っていたので、農業っていいなあと。そこから農業高校に進学し、卒業後はかながわ農業アカデミーという農業専門の大学校で2年間農業について学びました」

大学校では野菜・果樹・花きなどの栽培・生産について学び、技術と知識を身につけることができます。また生産だけでなく、加工、流通、販売までのトータルな実践的農業経営を学べるため、卒業後は農業法人に勤めるほか、農業の資材や機械販売企業への就職など、さまざまな道が開かれているそうです。

「同級生はいろんな道に進みましたが、僕は農業を目指してかれこれ10年、一度も目標が変わったことはありません。就職活動を始めたときも、農業専門の就活サイトで20社くらい情報を見て、その中で目に留まったのが今勤めている冨田農場でした。社長の顔写真を見て、“この人なら”と直感的に連絡をしたんです」

やりたくないことはやらない、やりたいと思ったことにはとことんまっすぐに取り組むという金子さん。自分の直感を信じ、細かい仕事内容や給与などもほとんど見ずに冨田農場の面接を受けたと言います。そして、会社の実績に加え、社長の人柄に惹かれて、卒業と同時に旭市で就農と社会人生活をスタートさせました。

「SHIfT園芸」代表 金子 雅紀さん | 就農であさひ
「SHIfT園芸」代表 金子 雅紀さん | 就農であさひ

すべてにおいて想像の100倍! 学びと刺激のある日々が楽しくて仕方ない

就職した冨田農場は、旭市で13代続く専業農家。夏場はきゅうり、冬は大根とカブをメインに、とうもろこしやパセリなどさまざまな野菜を栽培しています。

「学校で学んでいた頃も実習はありましたが、例えば大根を畑で1日収穫しても10本か20本、多くても50本程度です。でも、ここでは大根なら少なくても1日1,000本は収穫します。もう、規模が全然違うんです。それから、ちょっと気候が変わるだけで、こんなに収穫量が上がったり下がったりするのか!と驚いたり。いい意味で、学校で学んでいたときとは違うと感じます。僕はもともと、ずっと同じことをやっているのは好きじゃなくて、いろんな新しいことに挑戦したいタイプなので、常に変化がある農業はやっぱり面白い。学校で2年間しっかり学んだことも、多分就職したら1ヶ月も経たないうちに抜かしてしまうんじゃないかと思うくらい内容は濃いです」

金子さんが勤める冨田農場では、若手の育成にも力を入れており、他県からの就農希望者も数多く受け入れています。現在も同僚の半分以上が東京や神奈川の出身で、後輩3名は同じかながわ農業アカデミー学校の出身なのだとか。

「実際に就農してみて、旭は農業をするには間違いなくいい土地だと思います。比較的温暖な気候で冬に雪が積もることはありませんが、霜が降りるおかげで野菜が甘くなります。夏は埼玉ほど猛暑にもならないですし、平塚市に比べてアスファルトの照り返しがない分、畑やハウス内の温度が低く作業がしやすい。通常は産地によって作物が限定されますが、旭市なら農作物の選択肢も多く、イチゴ、メロン、ピーマン、キャベツ……、とにかく何でもあります。何より、東京まですぐに行けて、販売ルートがあるということも大きいと思います」

また、生活する上でも、メリットを感じることも多いそうです。

「旭は車がないと不便な部分はありますが、地元と比べたら家賃は半額くらいだし、肉も魚も野菜も、食材全部の値段が安くて鮮度がいい。住んでみてそういうところはよかったと思いますね」

明るくて面倒見のいい冨田社長と従業員のみなさま

冨田農場

旭市で13代続く専業農家。夏場はきゅうり、冬は大根とカブをメインに、とうもろこしやパセリなどさまざまな野菜を栽培しています。

https://www.instagram.com/tomita_noujoo/

「SHIfT園芸」代表 金子 雅紀さん | 就農であさひ

就農5年目にして「独立」という 新しい夢に向かってスタート

そして、就農5年目を迎える今年、金子さんは旭市で新たな夢に向かってスタートを切る予定です。

「今年の4月に今の会社を辞めて、新たに自分で会社を設立する予定です。アカデミーで一緒だった友達を数人呼んで、ハウスキュウリの栽培を中心にやっていこうと思っています。冨田社長もすごく応援してくれて、土地探しやハウス探しなどもサポートしていただきました。おかげでよい方と巡り合えて、その方からハウスを貸していただき、今は起業準備の真っ最中です」

10代の頃から目指していた農業の道をまっすぐに進んでいく金子さんは、その道を進む上で、「人との出会い」の大切さを実感したと言います。

「僕は直観で“この人なら”と感じて冨田農場に来ましたが、ここでなければもしかすると農業は辞めていたかもしれないと思うことがあります。今の社長は従業員のことを組織の中のコマとしてではなく、一人の人間として考えてくれる方で、人間性はもちろん、作るものもピカイチなんです。今回の独立もすごく後押ししてくれましたし、そういう方と出会えて、本当に良かったと思っています」

また、農業の盛んな旭には腕の良い大規模農家がたくさんあり、若くして独立している方も多いのだとか。皆さん仲が良く、仕事以外の飲み会に連れて行ってもらったり、そこでいろいろな人を紹介してもらったりと、横のつながりの広さと深さ、人の温かさを感じるそうです。

今の目標は、社長を始め、今までお世話になったいろいろな方にご恩を返せるくらい、会社を軌道に乗せて大きくすること。

「最低でも従業員10人くらいは人を回せるような会社にしたいです。冨田社長に追いつけるくらいまで事業を拡大したいし、旭市の農業の発展にも貢献していきたいです」

自らの直感を信じ、24歳という若さで「独立」という夢に挑む金子さん。

「会社設立の経験もお金もないですが、根拠のない自信で動いているので、ここからはもうやるだけです!」と笑顔で話してくれました。

「SHIfT園芸」代表 金子 雅紀さん | 就農であさひ
「SHIfT園芸」代表 金子 雅紀さん | 就農であさひ

INTERVIEW

旭市のお気に入りの場所は?

独立まで支えていただいた「冨田農場」です。ここで一からいろんなことを教えていただきました。そしてこれからは、独立してスタートする自分のハウスが一番のお気に入りの場所になると思います。

地域とのつながり方は?

まずは「真面目に仕事をする」ことが一番。目の前のことを一生懸命やっていれば、見てくれている人がいると思います。僕も以前、隣の畑の人から突然「連絡先教えてよ」と話しかけられたことがありますが、その方は今、海外青年協力隊として国際社会で活躍されています!日頃の働き方を見ていれば人となりも分かってくるし、旭は横のつながりも強い土地なので、いろいろな方を紹介してもらったりして、周りの人とのつながりも広がってきますよ。

「SHIfT園芸」代表 金子 雅紀さん | 就農であさひ

Living in Asahi Time.

Profile

「SHIfT園芸」代表 金子 雅紀さん/旭市神宮寺在住

神奈川県平塚市出身。農業の盛んな地域で生まれ育ち、その楽しさに魅了されて農業高校・農業大学校で学んだ後、旭市で13代続く農場「株式会社冨田農場」へ就職。就農5年目となる2025年、人生最大の挑戦として「SHIfT園芸」を設立し独立の道へ。仲間たち共にキュウリを中心とした野菜作りをスタートする予定です。

URL
https://www.instagram.com/shift_engei/

PHOTO SNAP

「SHIfT園芸」代表 金子 雅紀さん | 就農であさひ
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「SHIfT園芸」代表 金子 雅紀さん | 就農であさひ
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「SHIfT園芸」代表 金子 雅紀さん | 就農であさひ

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